冬季のみに登れる旭岳(福島県)にゆきました。
甲子山の山頂から向かういわゆる冬季の雪が積もったときに登れるルートです。
私は沢登りで甲子山を2回訪れたことがありました。
甲子山山頂から目の前に見えるのが旭岳です。
いかにも「山」の形をしていて、行ってみたいと思っていました。
この記事が役立つ人
- 雪のバリエーションルートに行きたい
- 急登での最速のラッセル方法を知りたい
- 時間をさほどかけずとも存分に雪山を堪能したい
アクセス
東北道-白川IC
289号線を約20kmすすみます。
次第に高度を上げてゆきます。
いくつかあるトンネルを抜けますが、トンネルのまさに出口を左に抜けます
後続車がいるときは、とくに気を付けてくださいね。
289号線の大きな橋の下の道を下ってゆきます。
急斜面で急なカーブがあります。
降雪時は凍結していていますので、しっかりと冬装備をした車が必要です。
500mほどゆくと
大黒屋の入り口を50mほど過ぎたところに駐車スペースがあります。
駐車場
駐車料金 無料
10台ほど
なお、手前の道沿いにも数台は駐車できそうなスペースがありますが、
降雪時は使用できそうにありません。
アプローチ
大黒屋の駐車場を入り、雰囲気の良い旅館の敷地内を抜けてゆきます。
駐車場入り口に、登山届のボックスが設置してあります。
少し下ると、大きな堰堤の滝と細沢の合流部にたどり着きます。
ここが登山道の入り口です。
細い橋の上は、雪がかぶっています。柵がないので注意してわたります。
山頂直下は、夏場では鎖場がありますが、降雪で見えません。
ここは、すこし急ですが雪が凍らなければ、チェンバスや軽アイゼンは必須ではありません。
登山口から、2時間弱で到着します。
山頂からは、目の前に勇ましい雪の旭岳が現れます。
裾野の樹氷と険しい山の骨格のハーモニーがとても美しいです。
真正面にみえる大きくジグザクする尾根がルートです。
しばし、これから進むための心の準備をします。
所要時間
甲子山山頂 –> 旭岳山頂 90分程度
旭岳山頂 –> 甲子山山頂 70分程度
頂上からみえる、360度の景色に感激します。
思った以上に登りがいのある急登ラッセルのあとで、何というか、意外性が高いために、喜びが大きいです。
これが、この旭岳の冬季ルートの醍醐味です。
難易度を決める要素
旭岳斜面において、難易度を上げるのは
ずばり、樹林が雪上に出ている状態があるかないかです。
雪のみであれば、ある意味、進みたい方向に進めます。
一方で、樹木が中途半端に埋もれて出ていると、これが障壁になります。
常に、行く方向を決めながら、右へ左へ、ときにトラバースも必要です。
時には樹木の枝をよけきれない
足をかけるスペースに枝がどうしても避けられない
これを急登の新雪の状態でやることになります。
四肢を使ってよじ登る、ずり落ちると滑落してしまう
まあ、登りづらいです。
前半
甲子山から少し下ってゆきます。
樹氷の樹林帯からすでに、ズボズボです。
当時は、居合わせたソロ、私を含めた4人がほぼ同時にトライしました。
私以外は、わかんやスノーシューを早々と装着
私は、持ち合わせていないので、ツボ足でそのまま進みました。
中盤
登りの傾斜に差し掛かりました。
樹木は半分以上雪に埋もているため、雪面では枝の合間をくぐるように進みます。
とにかく樹木とその枝が邪魔をします。
行く手を考えながらルートを選びますが、枝は次々と体に当たります
背中のザックに引っかかって何度も引っ張られるため、地味につらいです。
この辺りは、ワカンやスノーシューでも行ける傾斜です。
しかしながら、斜面のラッセルにはどちらもあまり向いていないように見えました。
速度が出ていません
埋もれたワカンを引き上げるにも抵抗があるようです
雪の間から出てくる樹木の枝があり面積を取るワカン、スノーシューは取り回しにも苦労している感じです
早々にツボ足の私が先頭になって、ラッセルを続けました。
後半
2か所に特に急登となる場所があります。
感覚としては、ほぼ垂直な壁をよじ登ってゆくようです。
それも、ラッセルで。
もはや、手を新雪に差し込んで、四肢を使ってよじ登ります。
息が上がり、一歩一歩、力をこめる声が上がってしまいます。
スノーシューは無理です。
ワカンは、まだ登れます。
しかし樹木の先が出ているよじ登るような急登は、極めて苦手そうです。
- 足の置き場に苦労
- 引き抜くときに枝に引っかかって苦労
ツボ足は、雪に埋もれて、さらに急坂では足場が崩れます。
しかし、良い点が勝ります。
- 足場が狭くても足を置ける
- 抜くときも枝に引っかからないでスムース
つかった装備
- 上着
-
L0 ドライレイヤー ファイントラクト
L1 モンベルウール
L2 タゴニアR1フーディ予備で持っていたが、使用しなかったもの
ダウンジャケット マムート(Melon)
ハードシェル ファイントラクト - ズボン
-
ドライレイヤー、タイツ、フリース(一般着)、マルチシェル(ファイントラクト フォトン)
いつもの私の冬山スタイル
アイゼン (最後の急登部分と、下山時)
ピッケル (最後の急登部分と、下山時)
ヘルメット、サングラス、帽子ウール
手袋、ゲイター